昨年は,京都では珍しいほどの積雪が数回あり,長期在庫のタイヤチェーンまでが売れるという異常な事態だった。
ところが今年は,例年にない暖冬の影響で,スタッドレスタイヤの交換作業がさほど慌しくなく,平穏な年末を迎える。
慌しくないとはいえ,車検整備,一般整備の合間のタイヤ交換作業は,少しでも効率を上げたい作業の一つである。
前回紹介したコーケン(Ko-ken)のサーフェイスソケットは,柔らかい材質のホイールナットに対して食い込むように勘合し,取り外すのに苦労することが度々あった。
この特殊形状,使用用途が随分限られたもののようである。
結局,新タイプのソケットはすべてお蔵入り。元のホイールナット専用の薄肉ソケットに落ち着くことになった。
さて,今回紹介するのは,最近新調したスナップオンのコードレスインパクトレンチCTJ4850。
エアインパクトを使っていた頃とは比較にならないぐらいの快適さを提供してくれるのが,電動コードレスインパクトなのである。旧モデルと比較して随分重くなったが,強い反力を支えるには,これぐらいの重量があったほうがいいのかもしれない。
内部抵抗の小さい高容量ニッケルカドミウムバッテリーで駆動される超強力な直流モーターは,PWM制御され無段階に変速。トリガーの引き具合で,回転速度を任意にコントロールできる。
そして,トリガーを離せば,惰性でしばらく回り続けるが,エアインパクトと変わらない動作だから違和感は無い。
ブレーキ付と称して,トリガーを外した際に逆電流を流すタイプのものが各社あるが,ブラシやコミュテータにとって良いわけがなく,ブレーキ時に飛び散る火花がその証左である。
また,連続使用時の発熱の少なさという点において,他工具メーカー品と比較にならず,同製品の作りの良さがうかがえる。トルク感も申し分なく,ホイールナットはじめ,その他ほとんどの作業がこれでカバーできるほど。
コードレスインパクトは,サーキットや出張修理など,エア環境の整っていない場所で使用する工具というイメージがある。しかし,一度でもコードレスの身軽さを体感すると,もうエアインパクトは使う気にならなくなるのである。