オリジナルロールカート(工具箱・工具台)

一般的な家庭の6~8畳ほどの居間があるとして,大画面のテレビが特等場所に鎮座する。よく見かける光景で,部屋の狭さとテレビの大きさが不釣合いである。

昔のステレオスピーカーもそうだった。冷蔵庫並みの図体2つが占領する部屋をよく見かけた。

私の部屋には、まずテレビが無い。

スピーカーは,エンクロージャーさえ工夫すれば外径が8cmのフルレンジユニット一つで,狭い部屋では充分すぎる厚みのある低音が再生できることを知っていたので,当時の流行とは逆に小さなスピーカーを自作した。いまでもその一組を使用しているが,自作した満足感と共に音楽を鑑賞している。

製品のもつ本来の機能より,大きく・豪華で・高級(そうな)なものを求めた。それは過去の国産車にも当てはまる。かつてのマークⅡはその典型。コロナを豪華装備で飾りつけ,クラウンに似た感覚を得たいという要望を満足させたのかもしれない。

しかし、それを所有することで得られる満足感は,「豊かさ」とは程遠く,エンブレムを無くしてしまえば何の車かわからない,どれも似たり寄ったりの過剰装備な国産車。軽量が特徴の軽自動車も,装備を満載にして車輌重量が1トンを越えるものまで。

工業製品として世界一の品質の自動車を生産する日本だが、まだまだ自動車文化的に発展途上と感じるのだ。

最後になったが,写真の工具台は現在使用中のもので,使用頻度の高い工具を中心に搭載している。

これはコクヨの事務用収納ボックスを改造したもので,幅500mm,高さ700mm程度のコンパクトなものである。キャスターは四輪操舵で,平行移動が可能。

狭い工場にはこのぐらいの機動性が必要で,市販のロールカートでは不釣合いなのである。

Hand Tool Master: