大谷商店(五階百貨店)

100系ハイエースのスペアタイヤホルダのボルト頭の形状は,凸のスクエア。一辺の長さが実測で約11~11.5mmのテーパーである。

そこで,写真のソケットを用いる。3/8″dr. 12ポイント 13mm のノーブランド品。12ポイントソケットは四角の凸をつかむことができるのである。

これにエアラチェットを組み合わせ,迅速なスペアタイヤの脱着が可能となり,車検整備の時間短縮に大いに貢献してくれる。

実はこのアイデア,大阪日本橋の五階百貨店にある大谷商店の店主から頂戴した。

勤務先の工場では,100系ハイエースの入庫が多く,当初,廃車から取っておいた同型車の車載工具で対応していたが,へビーな使用に耐えられず,果てにはモンキーレンチが登場する始末。

困ったときの大谷商店。

同店は五階百貨店の外れにある店で,所狭しと国産,輸入,特殊工具が陳列されており,圧巻の一言。

11.2~11.3mmぐらいの凸のスケアを回したいという私の要望に,カタログを繰る店主。

「そのサイズの専用のソケットはないなぁ…」とノギスを片手に12ポイントのソケットの内径を測りだした。

「12ポイントの13mmで,フランクドライブやったらいけるんちゃう?」

なるほど,気がつかなかった…

客の要求に迅速に応える工具販売のプロフェッショナル。私もプロとして,このようにありたいものである。

Hand Tool Master: