ホイールシリンダのオーバーホール(O/H)がある。
一部の高級車やスポーツタイプの車を除いて,リアブレーキはドラム式が主流で,定期的なオーバーホールは欠かせない。オーバーホールを怠ると,腐食が進行し,ブレーキフルードが漏れるケースがある。
ブレーキフルードが漏れている場合は,カップの交換だけでは再発してしまうことが多いので,ホイールシリンダAssyの交換となるが,多くのオーバーホールはカップとダストブーツのキット交換を実施している。
小型車の主流はピストンの溝にカップがはまり込んでおり,指の力では古いカップを取ることができない。私は,その取り外しにスナップオンから戴いたポケットドライバーSDD2040を加工したものを使用。
写真のとおり,シャンクを湾曲させ,てこの力でカップの硬いゴムを変形させてピストンから取り外すのだ。湾曲の外側の角が立っている部分は丸く削り落とした。
それまでホームセンタの工具売り場で売っている数十円のマイナスドライバーを加工して使っていたが握りが細すぎるし,時折シャンクが変形してしまうのだ。
トヨタ車のようにピストンがアルミニウムのアルマイト加工品の場合,カップを取り外す際,ピストンに傷をつけないように慎重に作業する必要があるが,多くの場合はピストンがスチール製なので,それほど神経質になることはない。