近年、自動車の電子制御化がすさまじい。
アナログのからくり自動車ならいざ知らず、車内にローカルエリアネットワークを張った自動車で昔ながらの「勘どころ」がどこまで通用するものか…
スキャンツールに頼り切りでは無論いけないが、故障の原因探求はもちろんのこと、各種アクチュエータのキャリブレーション、サービスインターバルインジケータのリセットなど、この類の道具でしかできない機能もあるため、管理車両の診断機を手元に持ち、安心感(自信?)を得たいと考えるのは修理屋としては自然なことだと思う。
さて、輸入車の中でもフィアットグループ(フィアット、ランチア、アルファロメオ)の診断機は専用機エグザミナー以外にはほとんど見当たらず、警告表示が国産車と比較すると点灯が頻繁だから、都度ディーラー頼みという向きも多いのではないか。
そこで表記の診断ソフト。
まだ歴史の浅いソフトウェアで、フィアットグループの多くの車両の診断に使うことができるもの。
フリー版でも十分かと思う内容で、部分的には専用機エグザミナーに匹敵する。
いわゆるVAG-COMケーブルと、アルファダイアグでは対応できていなかったELMチップ搭載のケーブル両方に対応しており、すなわちCAN通信の車両にも使えるということ。
CANより前の年式の車両に対してはABS、エアバッグ、パワステなどフィアットグループ独自のピンアサインのため、ケーブル改造を施す必要がある。
改造手順はサイトに説明があるので、半田付けをうまくこなせる技術があれば、そう難しいことではないだろう。ソフトの更新も頻繁で頼もしく、なんと言ってもフリーだから機会を見つけて活用してみようと思う。
↓改造不要の変換ケーブルも販売されている