自動車はすっかり現代の日常に溶け込んだ。
そんな日常の風景で,フェラーリが現れたときの非日常性は例外として,やけに存在感のある車に遭遇することはないだろうか。
独特の雰囲気があって一般にブランドと呼ばれるものなのだろう。
多くの国産車は,平均してその雰囲気が希薄である。
わかりやすい「贅沢風」を装った車を,のべつまくなしに開発しては販売する国産自動車メーカー。
大衆に迎合した車の生産こそがメーカーの屋台骨なのだから,一部の車種が白物家電のようだと揶揄されても致し方あるまい。
ハンドツールも同様かもしれない。
無機質な工具に,使う楽しさや遊び心を満載にし,独自の世界を形成する米国スナップオン(Snap-on)。まばゆいばかりの鏡面仕上げは,そのためには不可欠な要素なのだろう。
そして,独スタビレー(STAHLWILLE)やハゼット(HAZET)は,剛健質実さが際立っており,厳選された材料や加工精度はスナップオンといえど及ばないのである。
一方,国産工具にはそんなブランド力はあるだろうか?
写真はKTCの三菱軽自動車用スパークプラグレンチB3A-16SP。
手前のネプロス(nepros)でもほとんど対応可能であるが,稀にプラグホールに挿入困難な場合があり,専用品も用意した。
メーカーの設計の都合で揃える工具は,あまり楽しさは感じないのである。
工具選びの極意@ハンドツールマスター says
ネプロス(nepros)スパークプラグレンチ《工具選びの極意@ハンドツールマスター》
写真は現在使用中のネプロス(nepros) 16mm(5/8″)スパークプラグレンチ NB3-16SP。
三菱の軽自動車の一部にプラグホール形状の特殊なものがあり,よほどの薄肉設計のプラグレンチでないとアクセスできない。
KTCの通常品にも専用設計のプラグレンチ(B3A-16SP)があるが…
愛知特殊鋼屋 says
やっぱ国産工具のものでしょ。国産工具は80%以上が日立金属の素材ですし。なにしろあの切れ味抜群の日本刀の伝統をひく会社ですからね。
ハンドツールマスター says
愛知特殊鋼屋さん、こんばんは。
国産工具の素材が80%以上日立金属製とは知りませんでした。80%以上というとほとんどそうだといってもよいくらいのシェアですね。
国産特殊鋼メーカーはおっしゃるように優れた素材を作る素地があり、一部ネプロスのようにとても精度、性能の良い工具があります。しかし実際は安物工具が蔓延し、嘆かわしい限りです。