トルクスは米国テキストロン社の登録商標で,ヘックスローブとも呼ばれる。
限られた場所にしか使用されていなかった,同規格のボルト類。それも過去の話で,最近整備する車では様々な箇所に使用されるようになった。
写真はスナップオン(Snap-on)のトルクスソケット。
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上:210AFLEY E型トルクスソケットセット(E4~E18)
下:212EFTXY T型トルクスソケットセット(T8~T55)
双方ともスナップオンにした特別な理由はない。
購入当時は,一般的に使われているサイズの見当がつかず,いちばん数の多いセットをチョイス。当然,一度も使っていないサイズもある。しかし,自動車の製造過程でメリットの多い同規格のボルト類は,今後増えていくことが予想されるため,備えは不可欠だ。
スナップオンのT型トルクスソケットにはヘビーデューティーリムーバと称する金色のメッキシャンクのソケットがある。
名前は強靭なイメージだが,スタンダードな酸化皮膜仕上げの方が実際の強度は高いとバンセラー談。
トヨタ車のエンジンにE5もしくはE6あたりのM6スタッドボルトが多用されているが,これを緩める際にトルクスの頭をねじ切ることがある。締結力が強すぎるのか,材料の強度が絶対的に不足しているのか,1/4″dr.の小さなラチェットであっさりねじ切れて,それを取り去るのに大変苦労することがある。
T型の場合でも,トヨタランクル等のフロントハブ分解時に固く締まっているボルトに遭遇する。
自前の工具を労わるあまり,共用のトルクスレンチを2個もスパイラル状にひねった経験がある。
トルク伝達効率のよいネジだけに,製造過程においてオーバートルク気味になってしまうのか。
これからもいろいろな問題に遭遇すると思うトルクスネジ。進化したネジには,信頼のおける工具でアプローチしたい。
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