最も使用頻度の高いドライバー(スクリュードライバー)はプラス(フィリップス)の#2である。写真は,主に使用しているプラスの#2。
上はベッセル(VESSEL)の貫通ロングで,下はPBの貫通ボルスタ付。
PBの貫通は,シャンクの直径がベッセルと比べて太く,一見#3かと思わせる。両方とも,プラスリセスへの食いつきはよく,先端精度の高い工具だ。
PBの貫通は1本3000円弱と非常に高価。貫通式だからと乱暴に取り扱うのは,ついためらってしまう。実際,同シリーズのマイナス#3の貫通の先端はハードな使用で欠けてしまった。小さいタガネの様に使用するなら,同社のタガネドライバーが適していると思う。
それに対して,ベッセルは安心して叩ける。高価なPBに比べて使用感も遜色なく,コストパフォーマンスに優れた製品である。
さて,随分前になるが,自宅の玄関鍵の修理に来た若い職人に,いいドライバーの選び方を聞いた。ドライバー先端を下に向けた状態て,磁石の影響を受けないステンレスのプラスビスが落ちないことが,いい製品の条件だと言った。
ホームセンタには同じドライバーがたくさん置いてあるので,一つ一つビスを宛がってみるという。いくら先端加工精度がいい製品だからといって,交差は必ずあり,新品であっても落ちるものがあるらしい。さらに,その方法は,先端の消耗を知る方法でもあり,買い替え時期がわかりやすいのだ。
この話を聞いて以降,私も同じ方法で,製品の交差,消耗の具合がわかるようになった。また,最高の先端状態はそう長くなく,想像以上に早く先端の消耗が進むというのもわかった。
サンデーメカとプロとは使用頻度が違うが,プラスドライバーは早期消耗品と考えよう。
makeinu says
PBのマイナスは先端が加工されて凹んでるのでこじりに使うと欠けやすいと思われます。
車でも同じことが言えると思いますが、Rのついた部分に加重が集中するため、
疲労によるクラックなど発生しやすいのです。
PBのマイナスはネジ回しに限定して使えば耐久性もあるかと。
貫通ならKokenとかweraとかの六角軸のヤツが剛性もあっていい感じですよ。
ハンドツールマスター says
makeunuさん、コメントありがとうございます。随分昔の記事まで読んでいただいて光栄です。
記事の先端が破損したPBの貫通マイナスはボルスタにスパナを掛けて回す操作をしたときに割れました。
その後も先端を削ってコジリに使っていましたが、固いオイルシールをコジリ取る際にシャンクの根元で折れました。
この他に貫通でないマイナスもハードに使用していますが先端の欠けやシャンクの折損はないので、貫通のシャンクには別の材料か加工(焼入れ等)が施されていて靭性に欠ける印象を持ちました。
仰いますとおり、Rの小さい表面部分には応力集中のため材料破損に至ることがあるますので、PBのマイナスはコジりに不向きですね。
ko-kenのドライバは使ったことがないので少し興味があります。
情報ありがとうございました。