狭いエンジンルームで活躍する Snap-on XFRRM1214のラチェットメガネの無段階フレックスとツバ高の秘密を解説する。
遠く、狭く、辛うじて見える。そんな場所にあるボルトナットは近年の過密なエンジンルームではごく普通だ。周辺部品の離脱はできるだけ少なくしたいし、対象は確実に捉えたい。
この長いラチェットメガネ1本あれば、そういった用途で広範に利用可能だ。
ラチェットメガネの選定で重要なポイントは、ヘッドフレックスのフリクションが重めの無段階であることと、メガネ部にはツバ付&フラット両面があり、それぞれの面で正転・逆転できること。この全てを満たし、よく使うサイズ12mmと14mmが一本に集約されているのがXFRRM1214というわけだ。
ラチェットギアは Snap-on Dual 80®テクノロジーの80歯で、メガネ部はもちろんFlank Drive®。
この、使えばわかるツバ高さ。出っ張りが十分に確保されていることが一番の利点かもしれない。一方でフラット面が必要な場所もある。類似のレンチで両側ツバ付(または、両面フラット)で切り替えの無いモデルは、適用範囲が狭まると考えて差し支えないだろう。
長年使っているPro-Auto(スエカゲツール)の同種のロングフレックスラチェットメガネとの比較をしてみた。
↑Snap-on XFRRM1214とProAutoロングフレックスラチェットメガネの外観比較
スナップオンの長い全長411mmは、ラチェットヘッドの強度の高さを示唆する(このモデルに関しては保証なしとのこと。ギア機構のリペアキットくらいは欲しかった)。
スナップオンの無段フレックスに対し、Pro-Autoは細かい節度のある有段フレックス。
Pro-Autoの使用感は悪くないと思っていたが、ラチェッティング時のハンドルが障害物を複雑に避けてほしいときがあり、ラチェットヘッドが円滑にしっとり動くスナップオンを使うと、Pro-Autoのフレックス部の段が意外に操作の妨げになることを実感する。
↑Snap-on XFRRM1214のツバ高さ。狭い場所でもしっかりボルトを捉えて、周りとの干渉を回避する。
ツバの高さはスナップオンの方がやや高めに設定されていて、実際使いやすい。
そして、スナップオンの埋没気味の小さい切り替えレバーが煩わしいかと思ったが、出っ張ったレバーは、狭い場所で何かに不意に触れて切り替わることがあるから、埋没していた方がイライラがなく正解だ。
以前は廉価版のブルーポイントブランドしかなかった類似のレンチがやっと本家ブランドで登場し、期待を裏切らない使用感に満足している。
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