自動車の手動変速機がそうであるように、不便なモノほど楽しいのは、思考の活性があるからだろう。
『そういう「自動」車なの?』
と首をかしげる「自動運転システム」。メーカーの意図するところはそうでないかもしれないが、便利すぎは何か大切なものを退化させるかもしれない。
高校の授業で「公共交通の利用方法」という特別授業があるのはホントだ。
任意の時間に任意の場所に、まるで居間が移動するかのような便利すぎる自動車で育った子供たちは、切符の買い方を知らないらしい。
さて、掲題のバリヤーレンチは、ラチェットハンドルの回転軸を平行移動できる非常に便利な工具だ。
たくさんの部品を離脱することなく、また、ほとんどレンチを振れないような狭い場所でも先端がアプローチさえできれば、障害物のない場所まで平行移動した等速の回転軸で思いっきりラチェットを振ることができる。
この工具は、楽しく便利すぎるのに、損なわれることが今のところ見当たらないのだ。
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