故障中の空研エアークイックスパナ KSS-10。
部品取りのスペアから部品を移植しつつ,先週までなんとか使い続けてきたが,エアモータが空回りした感じで,トルクが掛からなくなった。スペアもエアモータ部が不良で,部品の入荷待ちである。
一般的に、エアラチェットは,小刻みに繰り返す微妙なインパクトがあり,専用のパワーソケットを使う必要がある。
一方,エアークイックスパナは、ドライブスクエアが滑らかに回転して反動がほとんどないので,ハンドツールソケットを用いている。
ヘッド部にはワンウェイクラッチが内蔵され,最初の緩め,最後の締めでは,少ない送り角で作業が行える。
ヘッドの回転は一方向で,正転逆転の切替は,ドライブスケアを指で押し込んで突出方向を変えて行う。
本体の全長は200mm強。
コンパクトなエアラチェットと比較すると全長の違いがわかるが,全長のあるエアクイックスパナの方が使い勝手はよい。
話は少し逸れるが,エアラチェット専用のパワーソケットとハンドツールソケットを使い分けているプロのメカニックはどれほどいるだろう。
エアラチェットでハンドツールソケットを使用すると,ドリブンスクエアの角が丸くなり,「めくれ」が生じる。
さらに,ソケットエンドの内角も丸くなって,ボルトとの装着感が甘くなってくる。この時点で新品(KTC製)に買い替えるというのが,私の勤務先では一般的になっている。
インパクトソケットほど厚くないが,パワーソケットはハンドツールソケットと比較して厚みがある。ハンドツールソケットでもぎりぎりという場所があるので,そのたびにハンドツールに持ち替えるのは面倒だ。
ロールカートにパワーツールとハンドツールを一揃えずつ搭載することは,経済的にも,物理的にも難しい。
いろいろ考えた結果,私はエアークイックスパナにたどり着いた。
それが故障して,急遽ブルーポイントのエアラチェットを購入し,バンセラーにパワーソケットを所有していない旨伝えると,
「ハンドツールソケットでガンガン使ってください。まず割れませんし,丸くなったら交換します。」
と言われた。これが,実情だろう。