トヨタ車のハブロックナットで30mmダブルヘックスがある。
相当のトルクで締結されているので,インパクトレンチを使用したいが12ポイントのインパクトソケットをラインナップする工具メーカーは数少ない。
写真はスナップオン(Snap-on)のSIMDM300。1/2″ドリブンスクエア,30mm,12ポイント。
カタログではアクスル関係の特殊工具の欄に掲載されている。辞書のようなカタログを検索すると欲しい工具が出てくるのはさすがである。
価格は、国産のインパクトソケットなら2~3個は買えるだろう。本件に関しては,12ポイントのハンドツールソケットをインパクトで使用する向きもある。手持ちの工具で「何とかする」のも技術であることは否定しないが,誤った使用方法と知りながら,いつまでも正規の工具を用意しないのではプロとして物足りない。
いつも良質のサービスを提供するために,一見過剰ともとれる工具を揃えておくのは贅沢だろうか。
職場では,特に先輩整備士の理解を得るのが困難だ。「知恵と工夫が足りないからだ」と。
違う時代で過ごした場合,価値観の相互理解は難しい。しかし,工具に関心をもち,所望の品を探し当てる能力を備えるメカニックには相応の「知恵と工夫」も備わっているはずである。