自動車整備には「板金塗装」という一般の修理と異なる分野がある。
私の働く工場でも,軽板金と塗装を日常業務として行っている。しかし,専門の板金工や塗装工がいるのではなく,整備士の業務の一つなのだ。
板金塗装は一般整備と違って,職人芸的要素が多く,向上心を持って取り組まないとほとんど上達しないのである。
板金塗装技術に関して系統立った解説をしている,この本はその技術向上を助けてくれるだろう。
自動車塗装技術について,これだけまとまった書籍は他にないと思う。補修塗装で主流となっているポリウレタン系塗料は,その取り扱いさえ間違えなければ,素人でもプロ並の塗装ができると考える。
特別な能力が備わったものにしかできない技術であれば,これだけ多くの板金塗装工場は存在しないだろうし,まして,最近流行の軽板金専門のフランチャイズ店などというものも展開不可能と思うのである。
塗装に挑戦してみたいというサンデーペインターから,プロの整備士まで,是非目を通していただきたいおススメの一冊である。