エンジンオイルのオイルフィルタの脱着工具には様々な種類がある。
勤務先の工場ではKTCのカップ型フィルタレンチがフルサイズ揃えてあり(一部輸入車除く),日常的に使用しているのはこのタイプになる。作業スペースがタイトな場面でも3/8″dr.の工具を組み合わせると難なく作業できるのがカップ型レンチの特徴。
しかし,国産車のオイルフィルタは正十六角であるため一つの角が約157°と、かなりの鈍角で,フィルタの材質が柔らかいこともあり,きつく締まっている場合は,簡単にナメてしまう。一度ナメてしまうとカップ型のレンチでは歯が立たない。
ウォータポンププライヤでつかむとか,ドライバーを刺すとかいう荒技で対処することになるが,そのような作業スペースを確保できることはほとんどないのだ。
写真は,年末に購入したばかりのスナップオン(Snap-on)のストラップフィルタレンチA91Dである。
金属部の両端に1/2″と3/8″のドリブンスケアがあり,それぞれのドライブツールを差し込んで使用する。締めも緩めもできるが締める際はフィルタを変形させてしまう恐れがあり,あまりおすすめできない。
工場には旧ロゴのスナップオンの刻印がある同様のレンチが共用工具としてあるが,ストラップが長年の使用で寸断されてしまい,応急的に薄いボルトナットで数箇所止めて修理してある。応急処置を施してあって,本来の使い心地でないにもかかわらず,カップレンチが滑ってどうしようもないフィルタがあっさり緩んでしまう。
その他,ショックアブソーバの脱着でケースが共回りするときに,ケースに装着して回り止めにしたりと,丸く引っ掛かりがないものの固定に重宝する。応急処置を施した工場のフィルタレンチをそろそろ修理に出さないといけないが,旧タイプのためセリングバン内の修理は不可能とのこと。修理センター(?)に行ってしまうため長期に渡り使用できなくなる。以前から個人的に欲しいと思っていたので,この機会に新タイプのものを購入した。
工場のレンチが修理の間は,こちらの新タイプが活躍することになるだろう。