スズキ(およびそのOEM)車のミッション・デファレンシャルのドレン(フィラ)プラグは、ちょっと特殊で10mm凹スクエアである。凹スクエアとは、上の写真の穴が四角い形状のことを指し、一般的な六角ボルトとは異なる。
スズキのこの形状はずいぶん昔からあるのだが、比較的最近になってこれに合う専用工具として、KTCから10mm凸ソケット AC302-10 が販売された。KTCの公式発表やカタログでは詳細な発売日は不明だが、近年の需要に応じて開発されたと思われる。
本体に17mmの六角形状を設け、例えば、JB43Wなど普通車のジムニーの狭い場所にあるミッションオイルフィラなどへの配慮が感じられる良い工具だ。
この10mm凹スクエアのプラグ、ラチェットハンドルに代表される一般的な3/8(すなわち9.5mm)ドライブの四角い出っ張りとサイズが似ているし、滑ることなく緩められるので、この専用ソケット発売前は3/8ドライブで作業していたのだが、サイズの違い(遊びが大きい)故、固着がひどいと下の写真の通り「めくれ」が4辺に生じた。
当たり前だが、ぴったり合致する専用ソケットを使った作業では、プラグの痛みは皆無である(写真:右)。
この誤解というか誤認識は、サイズが近いことが第一の原因だが、その昔、類似の形状で10mm凹スクエアのミッションオイルフィラプラグが、一部日産のマニュアルトランスミッションにあり、同じくKTCから日産用として専用のソケットが販売されていたことも一因だ(左:日産用AC301-10、右:スズキ用AC302-10)。
日産用AC301-10の刻印は10なので、何も疑わす10mmだと思っていたが、「実測10.5mmだった」ということをAC302-10の発売をきっかけに知ることになる。
スズキの10mm凹スクエアに3/8ドライブをあてがうとガタがあるので気に入らず、手持ちの日産用AC301-10をあてがうと入らない。10mm(←これが違っていたのだ)よりも小さいから3/8ドライブで、となるのが自然だろう。実際私も専用ソケットを知るまでは、比較的遊びが少ない3/8ドライブの工具で慎重に作業していた。
スズキ車独自形状なのだから、最初から3/8インチ(9.5mm)にすれば良かったのに、と思う。
スズキ車には、是非専用ソケットAC302-10を!
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特長
●差込角を自動車整備で主流の9.5sq.にすることで、工具を持ち変えることなく作業効率UP。
●本体に六角形状を設け、17mmのめがねレンチなどの使用が可能。
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